ターコイズ鉱山は、無名ながら現在も新しい鉱山は生まれています。
その多くはマーケティングにより認知の向上が十分でない事から、需要が生まれずにハイグレードターコイズとしての地位を手に入れていない。良質なものもあるが、クラシックターコイズに比べて未だ安価に入手可能と言える。
クラシックターコイズとして地位を確立したターコイズは、今も高い需要がありますが、その多くが枯渇し供給が断たれてきています。
ターコイズの採掘量も低下し年々質が良いとされるクラシックターコイズは入手が難しく、価値ともに価格が上がってきています。
ネバダ州トノパの近郊、キャンデラリア山脈にある小さなアパッチブルー鉱山は一度閉山され、2003年頃から再開。
以前までは採掘されていたターコイズのハイグレードなものは濃いブルーにブラックウェブやマトリックスといった物が主流でした。
近年、透明度のある鮮やかなリッチブルーにブラックウェブや、ハイグレードのキャンデラリアのようなレッドウェブが 入ったモノまで産出されだしています。
ターコイズの質自体が良く、硬度があるため磨くとガラスのようなジェム質の輝きを放つ。
まだまだ採掘量が少なく手にいれるのは難しいターコイズの1つです。
採掘自体があまりされていない為に今後もハイグレードなターコイズの採掘が期待されている鉱山です。
・EASTER BLUE
1907年にネバダ州トノパーの北西にあるナイ群に位置し、ロイストン地区の近く、ルー・シラックに発見された鉱山。
発見者のルー・シラックがイースターにバーを追い出され酔っ払っていた時にこの鉱脈を見つけた為、イースター・ブルーと呼ばれたのが名前の由来とも言われている。
多くの探鉱者、オーナーが関わっており、《ブルー・マウンテン》や《ブルー・ジェム》と呼ばれる事もある。
真ん中が薄い青色で大きなまだらのスパイダーウェブが入っているものもある。
ほとんどは濃い青緑色に茶色の模様が入っている。
・PAIUTE TURQUOISE
1970年代から採掘されているネバダ州で取れるターコイズ
あまり知られていないターコイズでもありますが、それは採掘量が極端に少ない為に目にする機会も少ないという事も要因にあります。
パイユートは非常に硬度がある為、研磨するとガラスのような輝きを見せてくれます。
色も青みが強く美しい色に、黒や茶色のウェブがはっきりと入る。
パイユートはその深海のような濃い色味もあり、金との相性が非常に良く、高価なジュエリーとして見かける事が多い。
美しい色合いに対して採掘量が極端に少ないためにかなり希少価値の高い、レアターコイズです。
また、ランダーブルー同様に非常に偽物が多くあります。多くはチャイニーズターコイズに、染めを施してスタビライズしたものが、ランダーブルーターコイズ、パイユートターコイズとして販売されています。
・LANDER BLUE TURQUOISE
1973年:リタ・ハップグッドがピクニックに出かけ、インディアンクリーク近くの山腹でリタの息子によって発見
当初の採掘名はリタの母親の名前をとって《メアリー・ルイス》だった
1974年、リタは採掘権を売却。
その後、売却権を購入し採掘されたターコイズはわずかに約45Kgほど、帽子に入るくらいの量しか取れなかったと言われています。
アメリカで最も希少で最も高価なターコイズとされる
ハットマインと呼ばれ、帽子に入るくらいの量しか採掘されなかったと言われる希少鉱山の1つ。
そのほぼ全てがスパイダーウェブに埋め尽くされ、美しく深い青を要するランダーブルー。
グレードの低い部分はスパイダーウェブではない箇所ももちろんあります。
母岩に含まれる鉱物でウェブが金色や銀色に見えることもある。
ランダーブルーはマーケティングが成功したことで、偽物も多く出回っています。
インディアン・マウンテンや中国のユンガイなどのスタビライズが多く、スパイダーウェブで色味の似通ったターコイズがランダーブルーとして市場に出されている為、信用のあるルートから購入したほうが安全です。
近年ランダーブルー鉱山のオーナーが2人のオーナーに売却され変わっています。
・LONE MOUNTAIN
この地域で初めて採掘を行ったのは、ドイツのモーザー兄弟だと言われている。
1920年、リー・ハンドが採掘権を取得しブルージェイターコイズ鉱脈と名付けた鉱山。
金を貸した知人の男が借金をチャラにしてもらう為に彼に鉱床の場所を教えてことがこの鉱山の始まり。
その後、リー・ハンドはこの鉱山を売却。この地域では数世代に渡ってターコイズが採掘されている。
1970年にメレンス・ウィンフィールドが所有、最盛期を迎え最も多くの産出されている。
数十年に渡って露天掘りが行われ、山腹では新たな鉱床を求めて無計画にトンネルをあちこちに掘った事で採掘環境が悪化し、危険な状況になり採掘が困難になった。
このトンネルのせいで、山の安全性が損なわれ、作業員たちは危険にさらされるなど、危険な採掘活動とトンネルの掘削を続けたことで鉱床が破壊された。
のちに別の所有者がトンネルを壊し、現在はまた別の所有者が綿密な計画をたてながら採掘を再開しているが鉱脈が少なく、質の良いモノは年々入手困難になっている。
クラシックターコイズの一つ。
その価値は濃く美しい色味もさることながら、変色や色落ちがほとんどしない硬度によって、研磨されて現れる美しい艶などから質の高さが伺える。
その為古くから巨匠と呼ばれるアーティストに好んで使用されている。
・NUMBER EIGHT
・1925年に地元の理髪師がネヴァダ州カーリンから北へ50キロのところで発見した鉱床である。
しかし地権者であるアール・バフィントンと、ローレンス・スプリンガーの意向により採掘が開始されたのは1929年まで実際の採掘は行われなかった。
1930年、テッド・ジョンソンがバフィントンから権利を買い取り、以来何人もの地権者が採掘を行った。
1959年頃エドガー兄弟はすでに有名だったターコイズと銅の採掘地の下に金の鉱床が埋まっていることを知らずに、10箇所の地権売却してしまう。
この中には《ロイヤルブルー》《ロイヤル・ブルー・ナンバーワン》《ブルースター》も含まれていた。
この鉱山の採掘権は何回も売却されており鉱床も変わっている
1976年、この地域でのターコイズ採掘は終了している。
ナンバーエイトの名前の由来は、最高品質のターコイズが8番目の採掘地から発見された為だと言われている。
濃い青にスパイダーウェブから、淡いスカイブルーにブラックウェブからゴールドウェブと呼ばれるマトリックスが入る。
独特な優しい風合いの青は合わせやすく、日本でも人気が高い。
・BLUE GEM
・ネバダ州バトル・マウンテンから南に10キロのブリオン地区内にある。かっては州内でもトップクラスの採掘量を誇った。現在は金と銅の露天掘りが主流となっている鉱山。
有史以前からある古い鉱床だったが1934年に再発見され深さ240mまで掘削されている。ここから採掘されたターコイズは先住民のジュエリー産業が始まって間もない20世紀中頃から1980年代の初めにかけて市場で大きな影響力をもっていた。多くの宝石細工師がブルー・ジェムの原石を買っていき、1980年代初めまで市場に多く出回り、多くのジュエリーに使用されている。
これまでに採掘権利は《ザ・コンテンション》《ペドロ・ロード》《ターコイズ・トンネル》《バトル・マウンテン》の名称で登記されていた。
ハイクオリティのものは美術館やコレクター所蔵のものが多い。
青から緑まで、様々な色が存在する。
・CARICO LAKE
・有史以前から採掘されていたことを示す、採掘に使われていた道具がキャリコ・レイク・ヴァレーで見つかっている。
記録に最も古いものは1909年。
ネバダ州ランダー群の干上がった湖の底から発見された。現在も採掘は続いているが、冬が厳しく人里離れたところに位置した鉱山なので一年のうちに限られた時期しか採掘されない為入手困難。銅に亜鉛が混ざって黄緑色に発色する。
1930年、当時の採掘者のガールフレンドの名前《 オーロラ 》を使用して採掘権を申請した事で、当時は《 オーロラ 》と呼ばれていた。その後なんども所有者を変えながら鉱山の名前も変わり現在の《 キャリコ・レイク 》になっている。
青から青緑、アップルグリーンのファウスト石を含む。
・RED MOUNTAIN
・キャリコレイク・ヴァレー東側、レッドマウンテンの南斜面にそって存在。
1970年代に発見。
ベイン《脈状》に採掘されることが多いため
大きな塊で手に入ること事態が珍しく、ほとんどは薄い板状に取れる。
高品質なターコイズが多く産出されてきたレッドマウンテン。
ランダーブルーやローンマウンテンと肩を並べるほど質が高く、黒や錆びたような赤茶の複雑なスパイダーウェブが多く入る事から好んで収集する者も多く、硬度が高く、穴を開けて直接ネックレスにもできるほどの質の良さである。カラーはグリーンからブルー、ダークブルー。
・CANDELARIA
・エスメラルダ群とミネラル群の境界線に沿って位置する大きな鉱山地区。
1800年代なかば、スペイン人の金、および銀探索者が移り住み1905年から1908年の間に企業が採掘権を取得した。
ターコイズやバリサイトなどバラエティ豊かな鉱物が存在する。
ここから採掘されているターコイズは、
《アジャックス》《ブルー・ボーイ》《ブルー・ムーン》そして《キャンデラリア》など。
透き通るような透明度の高い青に、黒、赤茶のマトリックスが入る。 キャンデラリア鉱山内は風化と侵食によって非常に危険な 状態になっており、採掘が難しくそれによって希少価値も高くなっている。
・STORMY MOUNTAIN
・ソニーモールデンというカウボーイによって発見された。
ネバダ州、エルコ群にあり、1970年代に多くのターコイズが採掘された。
カーリン・ブラック・マトリックス、または サニーサイド 、の名で流通していた事もある。この名称は黒く独特なマトリックスを表している。
黒い雲が漂うようなマトリックスが特徴
クラシックターコイズの1つ。閉山
・BLUE DIAMOND
・ネバダ州ランダー群のアイオワ・キャニオンより北東に位置する。
1970年代初めに多くのターコイズが採掘された。
ジョー・モリスと彼のパートナーたちがブルドーザーを使って大小含むターコイズの塊を大量に発見した。大きさは様々で、長さ30cm、厚み5mmの巨大な塊まであった。様々な色の母岩が採掘されたが、最も多く発見されたのは黒のチャートだった。。
この黒いチャートにより、ストーミーマウンテン ターコイズに似た青と黒が渦巻くようにマトリックスが入っている。
母岩は硬度にばらつきがある為、カットを入れのが難しいターコイズでもある。
ハットマイン《ツバの大きな帽子に入る程しか取れなかったターコイズ》と呼ばれる
ターコイズの1つ。
・FOX
・ネバダ州コルテス地方にある古い鉱床。
もともとFOXは先住民によって採掘されていた。
最初にこの鉱山でターコイズを集めだしたのはジョージ・ジュミッドライン。
家の使用人が見つけジョージに場所を伝えたことから始まった。
1914年、彼の息子チャールズとその友達ジョニー・フランシスが採掘権を申請し、1年間ほど採掘を行ったのちの、1915年、ウィリアム・マッガウに売却。
エド・スミスが経営者となり、後年は息子のチャールズが業務を引き継いだ。
1941年採掘権がダウェル・ウォードに渡り、フォックス鉱山と命名された。
ネバダ州最大の産出量を誇る鉱山地区の1つだった。
美しい緑が特徴的、ベージュのマトリックスが入る事が多い。
・INDIAN MOUNTAIN
・有史以前からの鉱山
1970年代にショショニ族の羊飼いによって偶然再発見される。
のちにダン一族、エドガー一族、モージー一族、そしてボブ・バートンが採掘しターコイズの原石とルースを販売していた。
場所はネバダ州クレセント・ヴァレーから南西へ74キロ、ボールドマウンテンの斜面にある。またブルー・ジェイ1,2,3,などの名前でも販売されていた。
薄い緑〜艶のある水色、青や青緑に黒のマトリックスやスパイダーウェブ、エメラルドのような青緑にゴールドウェブ、独特なマット感が特徴。
一般にはベージュのマトリックスのものが多いが、黒やこげ茶のものがグレードが高いとされる。
ランダーブルーとして売られる事も多いが、それだけ質が良く一見してもわからないほどのクオリティと言われているどクオリティの高いターコイズ。
・PILOT MOUNTAIN
・1800年代の終わり頃に初めて史実に登場した。
ネバダ州中西部、マイナから約48キロパイロットマウンテン山脈の南端に沿って位置する。
他のターコイズを抱える地区と同じで、この丘が広がる地区は広大で複数の採掘スポットがある。かって最も有名なエリアは、モキ・アズテックと、S・シモンズと呼ばれていた。現在も採掘が続いていおり、複数のオーナーが関わる。
薄い脈状《ベイン》に産出されるため、ナゲットで採掘されることはほとんど無い。
硬い石なので磨くと美しい光沢が出る。
カラーはグリーンからブルーまで幅広く、マトリックスも赤茶、ベージュ、黒と多様
ハイグレードな物は濃いブルーにレッドウェブの入った美しいターコイズが取れる。
・NEVADA BLUE
・ネバダ群にある鉱山で、1901年にジム・ワットによって初めて採掘権が登記された。
ピント/ワッツ、ティンバーライン、ウィザムなどの名前でも知られる。
小さな鉱床で多く産出されていないために流通量も少ない。
鉱山に行くことさえ困難と言われる危険な立地である。
ブルーから濃いブルーまで、ハイグレードとされるモノには黒からこげ茶のスパイダーウェブが均等に入っている。
別名はTIMBER LINE
・DAMELE
・ネバダ州キャリコレイクの近くにある小さな鉱山から産出され入手困難なターコイズのひとつ。
ハイグレードなモノはランダーブルーよりも見つけ出すのが難しい、コレクターアイテム。
オリーブ、グリーン、ベージュ、ホワイト、様々なカラーバリエーションがり、鉱山の地質に多分に亜鉛を含むことが要因になっている。
細かなスパイダーウェブが入りこげ茶から黒のウェブが入るのが特徴。
・ORVIL JACK
・本来の鉱山名はブルー・リッジだが、最後のオーナーの名前であるオーヴィル・ジャックの名前が知られるようになった。
1950年代、オーヴィルは義兄弟のドク・エドガーの採掘作業を手伝うためにこの鉱山のオーナーになった。
機械工だったオーヴィルは個性的な人物で、どんな物でも修理ができたという。ハイグレードのブルーで黒のスパイダーウェブが入ったモノはポケット1杯分しか取れなかったと言われている。
一般的な青や緑、様々な色が産出された。
・ROYSTON
・ネバダ州エスメラルダ群にある。
古い記録は1902年、それ以降いくつもの鉱床が発見され採掘権の申請がされている。
これらの鉱床の名前は《オスカー・ウォーレンド》
《ロイヤル・ブルー》《バンカー・ヒル》
《ロイストン》などの名前がつけられた。
中でも最大の採掘量を誇るのが《ロイヤル・ブルー》
それぞれの鉱床から採掘される多くのターコイズは見た目や色がそっくりであるため、
この地区で採掘されるターコイズは通常《ロイストン》の名前で売られている。
スカイブルーからグリーンまで
マトリックスもベージュ、赤茶、こげ茶と様々。
・CERRILLOS
セリリョスは、アメリカ南西部にある名高い歴史的なターコイズの産地であり、ニューメキシコ州サンタフェ近郊にあり700年以上昔にネイティブアメリカンが採掘していたアメリカ最古の歴史ある鉱山。
山腹からは数キロにわたってターコイズを含む数種類の鉱石が発見される。金が採掘されることは少ない。この地域では、
《ターコイズ・ヒル》《カスティリャン》《マウント・チャルチュウェートル》などの鉱床が有名。
ターコイズ・ヒルは世界で最も保存状態が良くて珍しいターコイズ鉱床の一つ。火山のふもとで産出されるので、そのミネラルによりカラーバリエーションが75にも及ぶ。
・BLUE MOON
1997年、ネバダ州ランダーブルー鉱山付近より産出。
まだ歴史が浅く採掘回数が少ないため入手困難。
マトリックスを縁取るような深いブルーが、マトリックスから離れるにつれて優しいスカイブルーへとグラデーションがかっていく。
・NORTHERN LIGHTS
ネバダ州にある鉱山。
年間を通じてターコイズを大量に産出しているが、その名は多く知られていない。
レッドマウンテン下、キャリコレイクの東側に位置している。
・NEW LANDER
正式名は、ニュー・ランダー・ロイヤル・ウェブ・ターコイズ。
ネバダ州の中北東部、非常にレアで高価なことで有名なランダーブルーターコイズの鉱山から、1マイルの所で近年発見された、オリジナルのランダーブルー同様にハイグレードであり、しかもかなり珍しいカラーシングとマトリックスの入り方が珍しい。
非常に濃いブルーに黒のスパイダーウェブが入ったものも稀に採掘される。
・GODBER-BURNHAM
1932年、標高2100メートルの場所で発見。当時は《 ラストチャンス 》の名で呼ばれていた。
その後《 ホームサイト 》と 《 ブルーストーン 》という2つの鉱床の採掘権も申請され、後に
《 ドライクリーク 》として知られるようになる。
1934年フランク・バーナムに売却され、その後、バーナムからウォルター・ガドバーに売却された事で名前がなんども変わった鉱床の一つ。
独特な色味の青でペールブルーと呼ばれる白やクリームが混ざったような青に赤茶や黒のウェブが入る。非常に質の高いターコイズとして有名。
・BISBEE
市場に出たのが最も早く、世界の希少価値の高いターコイズ上位5種に入る。
1950年、銅山の露天掘り採掘の過程で産出された。
鉱山作業員たちは銅の採掘作業中に原石を収集したり捨てられた石の中から採取し、ターコイズ業者に販売、そこから市場に供給されるようになっていった。
市場に出ると、その独特な霧がかったような紫色のマトリックスと濃いブルーに人気が集まり定番のターコイズとなった。
《ラベンダーピット》は模様ではなく、採掘地の名称である。ラベンダーピットと呼ばれるターコイズの採掘で有名な地域。
鮮やかで深い青色に紫がかって見えるのが特徴
得々な煙がかったようなマトリックスが入ったモノはスモーキービズビーと呼ばれ中々見つからない事からレアアイテムとしてコレクターアイテムになっている。
・KINGMAN
・1880年終わりに発見。アリゾナ州キングマン近郊 ミネラルパーク地区。
銅の福さん物として産出。最も一般的なアメリカ産ターコイズとして認知されている。
アリゾナ州モハーヴェ群のセバット産地にあるアズテックピークとイサカピークが最大規模のターコイズ鉱床。
ここで採掘されたターコイズが《キングマン》《イサカピーク》《ターコイズマウンテン》の名で販売されている。ナゲット[塊]状で流通することが多い。
グリーンがかったブルーから濃いブルーまで幅広く、グレードの高いものは《ランダーブルー》と間違われるほどの濃く美しい青に細かなスパイダーウェブの入ったモノが産出される。
深い青にブラックウェブ・レッドウェブなどスパイダーウェブが細かく均等な物が高価とされる
・MORENCI
・有史以前からの古い鉱床。
さまざまな色のターコイズを産出しているが、最も需要が高いものは、濃い青の黄鉄鉱(パイライト)のマトリックスが入ったもの。
スカイブルーから濃いブルーまであり、黒いスパイダーウェブとパイライトが入ったモノが人気が高い。
アリゾナ州南東部のシャノン山地にあり、銅の大規模露天掘りの副産物として発見された。この地区に関する最も古い記録には1864年、ヘンリー・クリフトン、ロバート・メトカルフという陸軍偵察兵の名前が残っている。
ネバダ州のキャリコ・レイク鉱山の採掘中だったウィリアム・ラッキー・ブラウンとJ・W・エドガーは、モレンシの採掘権の提供を申し出る手紙を受け取った。2人は手を組み、7ヶ月間採掘した。その後ブラウン一族が事業を受け継いだ。
ブラウン一族は過去に採掘した石を使ってカボションを制作している。
現在は閉山していると言われており、パイライトやブラックウェブの入ったものはほとんど市場に出てこない。
ローグレードなものとして、マトリックスやパイライトが入らず、キングマンなどと見分けがつかず特徴が出ていない物は比較的手に入りやすい。現在は閉山している為、ナチュラルの価格は高騰している。
・TURQUOISE MOUNTAIN
・アズテック・ピーク、またはアズテック・マウンテンと呼ばれていた。
この山の中腹の地区から採れるターコイズで見た目が特徴的なため、
イサカ・ピーク、キングマンブルー、と区別して売られている。
ここから取れるターコイズは、青も緑もほとんどの場合、美しいスパイダーウェブが入っている。石よりも青いウェブの入るウォーターウェブ、バーズアイなどとも呼ばれている。
・SLEEPING BEAUTY
・この露天掘り鉱山地区がある山脈は遠くから見ると、寝ている女性にそっくりに見えることからこの名前がついた。
採掘されるターコイズの色は、白亜色から透明感のあるスカイブルーまで幅広く、イランやチリで採掘される有名なターコイズに引けを取らない。
スリーピングビューティは世界的に有名。現在は閉山。
産出されるターコイズのほとんどはスタビライズされた安価な物が多く、
日本でもスタビライズされた安価な物が多く出回っている事から、ターコイズは安い物としても誤認されている。
ナチュラルのスリーピングビューティーは美しく鮮やかな水色で値段も安くない。
マトリックスが入らず、パステルカラーのブルーが特徴。
・ENCHANTMENT
・1958年、金探索者たちによって再発見された鉱床
1997年、ターコイズ・ミュージアム創設者であるロウリー 一族が鉱山を所有。
良質なターコイズが多く産出される。
鉄の成分が多く含まれる鉱山で、影響により産出されるターコイズは緑色が多い。ゴールドがかった赤褐色のマトリックスが入る。極少数の濃いブルーも産出されている。
・TYRONE
・有史以前から存在する鉱山。
1875年にジョン・コールマンが採掘権を取得し、《キャリエイト・クレイム》と名付けた。彼が狩猟旅行の最中に発見したと言われてる。
1893年、この地域で産出されたターコイズとしては最も有名で高品質なターコイズ、《エリザベス・ポケット》が見つかった。
タイロンはシューメキシコ州で一番の産地として知られている。
この地域の鉱床はバロウ山地の山腹まで延びていて、ここで産出されるターコイズは
《アズレ》《パーカー》《モンテズマ》の名前で知られている。
最大の産出量を誇った《アズレ》は銅の産地として有名。
鮮やかなブルーで硬く透明度が高く、ゴールドや赤茶のマトリックスが特徴的。
ニューメキシコで取れるターコイズで最も青いと言われ、産出量も少ない。
1980年代初頭に閉山。
・KING'S MANASSA
・有史以前から存在するターコイズ鉱床。
名前は金を採掘するためにテキサス州からコロラド州南部のマナッサバリーに移住した I・P・キング一族が由来。
金はあまり採掘する事は出来なかったが良質なターコイズを見つける事ができた。
コネホス群のピノン・マウンテンにあり、周辺地域には《ネリー・ブライ》《メキシコ》《ラストチャンス》《サンセット》《ラジャラ》《アーカンソー》などの鉱床が1980年代から存在している。
青緑色〜薄い緑、濃い緑に茶色や金色のマトリックス。
グリーンが際立って美しく、ハイグレードなモノは艶や光沢から陶器のような透明感がある。
・CRIPPLE CREEK
コロラド州にあるクリップルクリークという町の近くにあることから、この名がついた。
この地域では最大の、最も有名なターコイズ鉱床。
1929年から、バーティス一族がこの一帯を採掘してきた。
デヴィッド・グレアムのバッド・ボーイズ・マイニングカンパニーはここで最も多くのターコイズを採掘してきた事で知られる。
ここで採掘されるターコイズは全て、クリップルクリークの名前で販売される。
もともと金の発掘をしていたグループがこの鉱山を発見。この地域では現在も2つの鉱山で発掘が行われている。
緑っぽいものと、茶色のマトリックスの入った薄いブルーから濃いブルーが産出される。
・VILLA GROVE
有史以前からある古い鉱床。
コロラド州ヴィラ・グローブから北西へ約11キロのところにある。
点在する樹木の間にある低い丘 陵に沿って点在している。
確認できる最古の記録は1893年のものであり、現在採掘は行われていない。
鉱床の最大の採掘場は湧き水に浸かっているため、採掘が難しい。
ボブ・ホール(ホール・ターコイズ鉱山)などが採掘権をもっていた1930年から1950年にかけて、多くのターコイズが採掘された。
ナバホ族やズニ族によるクラスター形のデザインのジュエリーに使われた。
(1960年以前に作られたもの)
・LEADVILLE
レイク群のシュガーローフ地区には、通常リードビルという名前で販売されている数種類のターコイズがある。
これにはジョージー・メイ、ターコイズ・チーフ、プアー・ボーイなどの採掘証が含まれる。
・CASTLE DOME / PINTO VALLEY
Sleeping Beauty 鉱山の近くで1942年に発見された採掘されたが、1956年には閉山している。とても鮮やかな青が特徴的で,Sleeping Beauty と違うのは、より鮮やかでマトリックスが多く入っている点。
別名:Pinto Valley(ピント ヴァレー)ターコイズ。
市場に出ることは稀で入手は難しい。
・EGYPTIAN
・エジプト・シナイ半島で産出されるターコイズ。
非常に鮮やかなブルーに赤茶色のマトリックスが入る。
透明度が非常に高く、鮮やかな青色ではあるが、アメリカ産のターコイズとはまた違った独特の青
市場にあるほとんどが、高度が足らずに樹脂で固められたモノで、ナチュラルのエジプシャンはほとんど手に入らない。
・PERSIAN
・イランで産出されるターコイズ。
クラシックな美しさとその彩度が高く評価されインディアンジュエリー以外の宝飾品にも多く使用される。
《アンクシャタリ》《バーカネー》《アラビ》の三等級に分けられる。
ペルシャ人がマトリックスのないモノを好んだため、クリアなモノが評価されている。
・CHINESE
中国産ターコイズ。中国では紀元前1700頃からターコイズを装飾などに使用して歴史がある。鉱山ごとにはっきりとした区別はなくチャイナマウンテンとして流通している。
近年ブランド化されつつあり、良質なターコイズが採掘される鉱山のみ、鉱山名がつけれだした。 濃いブルーに真っ黒なマトリックスが入る物は比較的高値で取引される。青緑〜青、濃いブルーが産出。